9・ 売買契約・贈与契約・(宅建過去問題)
目次
売買契約・贈与契約(令和02年問09)
【問9】
Aがその所有する甲建物について、Bとの間で、①Aを売主、Bを買主とする売買契約を締結した場合と、②Aを贈与者、Bを受贈者とする負担付贈与契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、担保責任に関する特約はないものとする。
- ①の契約において、Bが手付を交付し、履行期の到来後に代金支払の準備をしてAに履行の催告をした場合、Aは、手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。
- ②の契約が書面によらずになされた場合、Aは、甲建物の引渡し及び所有権移転登記の両方が終わるまでは、書面によらないことを理由に契約の解除をすることができる。
- ②の契約については、Aは、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。
- ①の契約については、Bの債務不履行を理由としてAに解除権が発生する場合があるが、②の契約については、Bの負担の不履行を理由としてAに解除権が発生することはない。
正解
3
1・・・誤り
売買契約において手付金の交付があったときは、「相手方が契約の履行に着手するまで」は、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に買主に償還することで契約解除できます。 そして、判例では、「買主が残代金を用意し、すぐに支払える準備をした上で売主に履行の催告をした場合」には、「買主は契約の履行に着手した」ことになる
2・・・誤り
書面によらない贈与では、原則、各当事者は贈与契約を解除できます。 しかし「負担付贈与」の場合、当事者一方が契約の履行に着手した後は、書面によらないことを理由に契約の全部または一部を取り消すことはできません。
3・・・正しい
負担付贈与契約における贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負います。
4・・・誤り
売買契約の場合、当事者の一方に債務不履行があった場合、契約解除をすることができます。また、負担付贈与契約は、売買契約のルールが適用されるため、売買契約と同じく相手方の債務不履行があれば契約解除することができます。