1・ 対抗問題・(宅建過去問題)
目次
対抗問題(令和01年問01)
【問1】
Aは、Aが所有している甲土地をBに売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 甲土地を何らの権原なく不法占有しているCがいる場合、BがCに対して甲土地の所有権を主張して明渡請求をするには、甲土地の所有権移転登記を備えなければならない。
- Bが甲土地の所有権移転登記を備えていない場合には、Aから建物所有目的で甲土地を賃借して甲土地上にD名義の登記ある建物を有するDに対して、Bは自らが甲土地の所有者であることを主張することができない。
- Bが甲土地の所有権移転登記を備えないまま甲土地をEに売却した場合、Eは、甲土地の所有権移転登記なくして、Aに対して甲土地の所有権を主張することができる。
- Bが甲土地の所有権移転登記を備えた後に甲土地につき取得時効が完成したFは、甲土地の所有権移転登記を備えていなくても、Bに対して甲土地の所有権を主張することができる。
正解
1
1・・・誤り
A-(売却)→B
※C:不法占拠者
不法占拠者Cは「第三者」には当たりません。 そのため、甲土地の所有者Bは、所有権の登記がなくてもCに対して所有権を主張することができます(対抗できる)
2・・・正しい
A-(売却)→B
※D:土地の賃借人でD名義の建物所有
土地賃借人Dは、D名義の登記がある建物を所有しているため、対抗要件を備えています。 一方で、買主Bが甲土地の所有権移転登記を備えていないので、対抗要件を備えていません。
3・・・正しい
A-(売却)→B:未登記-(売却)→E
上記の場合、所有権がAからB、BからEに移っているだけで、対抗関係はないので、Eは、甲土地の所有権移転登記なくして、Aに対して甲土地の所有権を主張することができます。
4・・・正しい
A-(売却)→B
※F:Bの移転登記後に時効完成
時系列としては、「BがAか購入する」→「Fの時効が完成する」という流れです。つまり、Bは、時効完成前の第三者です。 時効完成前の第三者の場合、所有権移転登記がなくても、第三者Bに対して、甲土地の所有権を主張することができます。