3・ 賃貸借契約 ・(宅建過去問題)
目次
賃貸借契約 (令和02年問04)
【問3】
建物の賃貸借契約が期間満了により終了した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、原状回復義務について特段の合意はないものとする。
- 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合、通常の使用及び収益によって生じた損耗も含めてその損傷を原状に復する義務を負う。
- 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合、賃借人の帰責事由の有無にかかわらず、その損傷を原状に復する義務を負う。
- 賃借人から敷金の返還請求を受けた賃貸人は、賃貸物の返還を受けるまでは、これを拒むことができる。
- 賃借人は、未払賃料債務がある場合、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てるよう請求することができる。
正解
3
1 正しい
税金相当額の償還は、土地の売買契約に関して付随的義務に過ぎません。付随的義務が履行されないというだけの理由で、売買契約を解除することはできません。
2 誤り
判決文のいう付随的義務というのは、契約の要素をなす債務との対比で定義されています。債務不履行について債務者に帰責事由があるかどうかを基準にして判断するわけではありません。
3 正しい
債務者に債務不履行があった場合、債権者は、相当の期間を定めた催告を経て、契約を解除することができます(催告による解除。民法541条本文)
4 正しい
契約の解除を行う際には、催告による解除(肢3参照。民法541条)が原則です。ただし、催告をしても意味がないケースでは、催告なしで契約を解除することができます(催告によらない解除。同法542条)